後輩 フクちん 任命される。

14階建てのマンションの現場での出来事です。

躯体(コンクリート関係)工事も終わり、内外装工事(部屋内の大工工事や外壁の仕上工事など)がメインとなってきていたころ、事件は起きた。

 

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 給排水設備業者の山ちゃんから、大変なものが発見されたとの連絡を受けた。

話を聞くと、エレベーター機械室に置いていた、トロ船(モルタルを練り混ぜるための容器)に、う〇ち君が発見されたとのこと。

 

現場で働いている中の誰かが、1階まで下りてトイレに行くなんて無理と思い、やっちまったらしい。

要は、その物体の処理を依頼されたわけである。

 

神聖なる おいどんたちの現場で、なんてことをしてくれるんだ。

こんな危険なことをする奴は許せないが、設備業者の仕事再開が最優先だ。

 

おいどんと後輩のイグチン 顔を見合わせ、最年少のフクちんのほうを向く。

 

「だめじゃ、危険すぎる。」

「こうなったらしょうがない、今からフクちんを危険物委処理班に任命する。」

「フクちん、出動!」苦渋の決断です。  (完全に、他人事ですな・・・)

 

「うげー。まじポンですか?」

「まじポンです。俺らじゃどうにもならんわ。」とイグチン。 (鬼ですな。)

 

しぶしぶ動き始める、フクちん。

土嚢袋とビニール袋、そしてスコップを持ち、軍手をはめて、準備は万全のようだ。

 

事務所を出ていくフクちんの後ろ姿に、心の中で「がんばれ、フクちん。」のエール。

きっと、イグチンも同じ気持ちだったに違いない・・・

 

出ていくフクちんの姿を見送り、安堵したおいどんたちは、さっさと自分の仕事に戻る。

 

約15分後・・

 

「危険物処理班、任務終了しました。」と元気なフクちんの声。

まさに若手のホープである。

 

現場では、いつ不測の事態が発生するかわからない。

今回の件もそうです。

 

だがわれわれの現場には優秀な職員がいる。

みんなが力を合わせれば、越えられない困難はない。

頑張れフクちん。われらの希望の星よ・・・

 

「よーやったの、フクちん。また何かあったら頼むで。」イグチン にやにやしています。

「またあったら、次はイグチン頼むど。」とおいどん。

「まじポンですか?」

「まじポンです。」おいどんとフクちん。

 

この2週間後にも、同じような事件があり、今度はイグチン出撃です。

「まじかー、勘弁してくれよ。」とつぶやきながら出ていきましたとさ。 

 

PS

「まじポン 」とは、マジ(本気)の最上級グレードとのこと。(イグチン談)

 

 

by

【まじポン】も流行語大賞にノミネートされないかと妄想する。

たたかう現場