納豆

働き始めて四年目に、埼玉県に会社の寮ができました。

入寮して助かったのが、朝ごはんと夕飯を作り置きとはいえ、食べることができたこと。

しかもそこそこお安い値段で・・・。

しかし困ったのが、朝ごはんに必ず出てくる納豆。

寮に入っている人のほとんどが関西の人間で、朝 納豆を食べる習慣がない地域から来ていたため、おいどんだけでなく約八割の人が納豆を食べることができませんでした。

関東では朝ごはんと言えば、ご飯・味噌汁・焼き魚・納豆・生卵・海苔なんて言うのが定番に違いないと勝手に思い込み、みんな朝から納豆を食べてるんだと信じてしまいました。

また、誰がこんなにおいのきつい、ねばねばしたもの食べれるの?なんてネガティブな思いもあったのです。

入寮して4か月目のある日、寮の運営の会議がありました。

そこで話されたことはほぼ覚えていないのですが(いい加減な人間のため)、誰が言うともなく

「朝食の納豆はほとんど食べる人がいないので、メニューから外してもらおう。」という話が出て、即座に決定がされた記憶だけが強烈に残っているのです。

そんな思い出のある納豆ですが、年を取ると面白いもので、嗜好が変わってしまうのか、食べ物と思えなかった納豆に興味がわいてきたから不思議ですね。

お寿司屋さん(当然回転するところ)で、納豆巻きを食べてみたのですが、きざんであるためかモサモサせず、それほど臭いも気にならなかったので普通に食べることができました。

これ以来、きざみ納豆は好んで食べるようになりました。食べてみると意外とおいしいものですね。

 

納豆はかき混ぜるとうまみ成分が増えてくるらしく、食通で知られる魯山人曰く

「納豆は424回かき混ぜた時が一番おいしい。」とのことです。

味の違いを見分けることができる素晴らしい舌を天から授かったのでしょうか?

栄養分も豊富で、昔から食べられてきたこのような発酵食品は、やはり日本人の体に合っているんだろうとしみじみ思いました。

 

by

三十過ぎから

なぜか味噌汁が、やけにおいしく思えてきた

たたかう現場監督