現場のトイレの話

今どきの現場のトイレは、ほぼ簡易水洗(基本汲み取り式)トイレです。

当然、和式です。

大手さんの現場では洋式水洗トイレの現場もあるのでしょうが、工期と予算に余裕がないと設置が難しいのです。

今の若者は洋式トイレになれているので、最初は戸惑うかもしれません。

簡易水洗になる前は、当然ぽっとん便所で、夏の暑い日など、トイレに入ったとたんアンモニアの刺激で目が開けられない状態、さらに、サウナのような暑さで汗が吹き出てシャツがびっしょり。

おまけにハエがブンブン、蛆虫がフニョフニョしているという地獄絵図です。

簡易水洗トイレになっただけでもありがたやですな。

(使い方のことがあるので洋式便器は難しいでしょうね。)

 

トイレと言えばトイレットぺーパー。

大体現場の中で忙しくしている時に限って

「監督さん。トイレットペーパーがないんじゃけど、ある?」とモジモジしながら職人さん。

「今それどころじゃないんじゃ。このくそ忙しい時に・・・」と叫びそうになる時もあるけれど、生理現象なので我慢です。

おいどんが忙しくしていようがいまいが、緊急事態ですからね。

 

高層の建物になると、スカイトイレなるものが設置されることがあります。

空でも飛びそうなかっこいい名前ですが、ただのプラスチックの小便器を足場に設置したものです。

おいどんは2フロアーごとに設置していました。

高層の建物になると、働いてくれている業者の人も、下まで降りてトイレなんて悠長なことしてられませんからね・・・。

設置した小便器の配管を、地上に置いたドラム缶に溜め、いっぱいになるとくみ取ってもらっていました。(最後の設置から20年、今はどうしているんだろう?)

確認を怠るとあふれ出ちゃうなんてことになるので注意が必要でした。

これも現場監督さんの大事な仕事です。

あふれそうになって、使用禁止令を出すことがないようにしたいものです。

 

PS

安芸の宮島にある霊峰 弥山。

ほとんどの人がロープウェイをつかって登られます。

そこにもトイレがあるのですが、国立公園であり世界文化遺産である宮島なので、排水管の敷設はされていません。

ヘリコプターで運んでいるのです。

 

by 

現場のトイレット博士と呼ばれたい

たたかう現場監督