ああ懐かしの 建築現場の焼き肉大会

今ほど飲酒運転の罰則が厳しくなかった時代のお話です。

建築工事は数多くの業者の方たちの協力によって成り立っています。

しかし、業者同士も、初めて一緒に仕事するという場合が案外多いため、業者間のコミュニケーションを図り、現場がスムーズに流れるように、現場での焼き肉大会が催されていました。

時期的には、躯体工事が始まってしばらくした時期や、内外装工事(造作大工、左官、タイル、塗装、サッシなど)に取り掛かったころに、おいどんは開催していました。

16時から始めて、19時くらいまでが終了の目安です。

中にはお酒に酔っぱらって、けんかっ早くなる人もいるため、終わりの時間は決めておくほうが良いのです。

ほんのり酔って、おなかも程よく膨らんで、業者間でワイワイできれば十分で、少し時間が短いかなくらいがちょうどよい。

何事も程々が良いのです。

「皆さん、今日は焼き肉大会です。3時半には仕事をやめ、片づけをして、4時には全員参加できるように協力お願いします。」なんて、勝手に現場事務所の放送設備を使っちゃう、造作大工の職長さんがいたり、鉄筋屋さんなんだけど、もとは魚屋さんで働いてた人などは、魚をさばいて刺身をふるまってくれたりと大サービス。

こちらもお肉におつまみ、ビールに日本酒、チューハイなどは手配済みです。

鉄骨屋さんにドラム缶を真っ二つにしてもらい、高さ調整の足を溶接で取り付けたり、焼き肉用の網や焼きそば用の鉄板も加工してもらい準備万端。

3時半前から若い監督さんは炭起こし、4時には程よい火加減に・・・。

全員所集合し、現場所長のあいさつが終わるといよいよ乾杯です。

和気あいあいと楽しい時間が流れていきます・・・。

もう20数年前のことですね。懐かしい・・・。

今は現場で焼き肉大会なんてできないから、余計にそう思ちゃうんでしょうね。

「車の中で少し酔いを醒ましてから帰ります。」

「おお、気を付けて帰れよ。」なんて会話には、今はならないでしょうから。

 

by

昔を懐かしむのは

年を取ったせいなのかなと

ふと考える

たたかう現場監督