奇特な人 おふくろ
おいどんのお袋は奇特な人で、自分のことなどお構いなしに、人の面倒をよく見ていました。
お袋は8人兄弟で長兄とは15歳ほど年下でした。
その長兄の奥さん(おいどんは長兄をパパさん、その奥さんをママさんと呼んでいました。)が腎臓の病気で入院すると、日中の付き添いの為、亡くなるまでの半年余り、ほぼ毎日、病院まで通っていました。
(何度も泊りがけの看病をしていたことが、思い出されます。)
これは、ママさんが亡くなってからずいぶん経って、そのお孫さんから聞いたお話です。
ママさんの通夜、親戚たちで夜を明かす中で、お袋が疲れて仮眠をしていた時のこと。
お孫さんがうとうとしつつ、ふと目を開けると、真っ赤な人の形をしたものが(姿がママさんにそっくりで、ママさんに違いないと言ってました。)、横になったお袋に、何度も何度もお辞儀をしていたそうです。
何とも不思議なお話ですが、お袋の看病も報われた気がしました。
お袋はその後も、長兄が病気になった時も付き添い。
最後まで見届けています。
四国の宇和島近くに住む、オヤジの長兄、姉の見舞いに、リュウマチで不自由になった体で何度もオヤジと行き来していました。
「人の世話ばかりやな。」といったとき。
「しょうがない。こういう運命なんじゃろーね。」といっていた、おふくろ。
家族三人で京都に行く予定にしていたが、2週間前に体調不良となりキャンセル。
新居(同居用)を建て始めるも、完成前に天国に・・・。
同居して孫と十年余り一緒に過ごせたのが、せめてもの恩返しぐらい。
親孝行らしいことが、ほとんど何もできなかった、おいどんです。(情けない)
よく人の世話をしていたおふくろの通夜には、親族以外の人が120人以上参列されていました。
びっくりと同時に、その人数に感動しました。
おいどんの通夜には、絶対 こんな人数来てもらえるわけないと、率直に思った夜でした。
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おいどんの葬儀は、家族葬にしてと家族に話す。
たたかう現場