防災士の災難?

二年前のお話です。

十年や百年に一度と言われるような災害が、近年 頻繁に発生するようになりました。

かつては遠い存在だった災害が、身近なものになっています。

おいどんが住んでいる地域など、河川がすぐ近くにあり、河川の少し上流には民家のすぐ裏が山という場所もあります。

このような地域なので、自ずと防災への関心が高まっていました。

そんなある日、おいどんと地域の活動に熱心なクラちゃんが、区長さんから防災士の資格取得に行ってくるよう任命されました。

「講習が二日あるらしいけど、聞いときゃ資格もらえるんじゃろ?」とクラちゃん。

「最後の日にテストがあるらしいけど、大丈夫じゃろ。」と二人ともお気楽な感じで引き受けたのでした。

数日後、区長さんからの連絡、

「申し込みしたんじゃが、防災士をとるには、救急救命の講習を受けてもらう必要があるんよ。」

「二人とも講習受けてないよね?」

「ガーン。おいどんの休日が・・・。」なんて思っていたのですが、いざ講習を受けてみると、これはもっとたくさんの人に、受けてもらいたいなと思いましたね。

心肺蘇生やAEDの使用方法など知らないことがたくさんあります。

家に帰って早速、次男坊に話をすると、すでに講習を受けていたことに感銘した次第です。

時は流れ・・・。

防災士講習の前日、事件は起きたのです。

講習用のテキストは約一か月前には家に届き、部屋の片隅に転がっていました。

そろそろ明日の準備をしておこうと、そのテキストの入った封筒を開封し、中身を確認した時

「なんじゃいこりゃ!」思わず叫んでしまったのです。

なんと、翌日の講習開始前に提出しなければならない問題集が入っていたのだ!

その時の時間は22時。顔面蒼白です。

「テキストが早めに送られてきたのは、このためかー。」

(「チックショウ。」の小梅太夫か、「やっちまったな。」のクールポコ的な後悔ですな・・・。)

問題は100問を超え(記憶が定かではありませんが・・。)一問一問テキストの中から調べて回答することになります。

「明日の朝3時くらいまでかかりそうな予感・・・。」

夏休みの最後の日に、やり忘れた宿題に気づいた少年の日がよみがえります・・。

「がんばれ。がんばれ。」自分を叱咤激励です。

何とか3時半には完了しました。

翌朝、眠い目をこすりながら、講習会場に着くと、これまた眠そうな目の知り合いのお役人様のマタさんを発見。

「昨日の夜は大変でしたよ・・・。」と苦笑いのおいどんに

「俺も同じ。夜の11時に気づいたんよ。」とマタさん。

「朝の4時までかかったよ。」げっそりしています。

「早く封筒開封しときゃ良かったよ。」とぼそり。

「同じですね。」とおいどん。

「何とか今日を乗り切りましょう。」と話しながらクラさんを探す おいどん。

見渡すと、クラさん発見。

何やら鬼のような形相です。

「俺はね今日の朝気づいたの!」

「こんなの(問題集)あるって教えといて欲しいわ・・・。」少しキレ気味のクラさん。

「きっと、被害者はこの三人だけじゃないのだろうなー。」と遠くを見る目になる おいどんでした。

 

by

何とか三人とも

防災士になれたことに感謝する

たたかう現場監督