消えた自転車のミステリー

ある月曜日の出勤時、嫁さんの自転車がないことに気づいた。

今まで十数年間、鍵もかけず玄関の横においてたにもかかわらず、盗まれることがなかったのに・・・。

「自転車が無くなっているど。」とおいどん。

「えっ、本当に!」

「盗まれたんじゃろーかね・・・。」

「まあ、鍵もかけとらんし、どっかに乗り捨てられてるかもね。」

「なんか気持ち悪いね・・。」と嫁さん不安そうです。

「わしもそう思う。」と答えつつ、足早に車に乗り込むおいどん。

 

数日後の夕方の事。

いつものように、愛犬のポーちゃんを連れてお散歩の途中、おいどんは発見してしまったのだ。

集会所の駐輪場に見覚えのある自転車を・・・。

その瞬間、すべての記憶がよみがえったのだ!

日曜日に地域の集会があり、忘れ物を取りに帰ったおいどん。

一刻も早く戻ろうと、自転車に乗って集会所に急いだ記憶が・・・。

「おいどんが集会所に自転車を置き忘れたなんて、絶対嫁さんには口が裂けても言えんど!」

「言ったが最後、鉄のハートを持つおいどんですら、打ちのめされるほどの暴言を浴びせられるに違いない。」

「恐ろしい。恐ろしすぎるど。」

そそくさと、お散歩を終えて家に帰る。

まだ嫁さんは仕事から帰ってない。

「チャンス!」

競歩のような足取りで集会所に急ぐおいどん。(ただの変なおじさんか?)

チャリンコにまたがると、そこからはエンジン全開。

フルスロットルの立ちこぎ開始だ。

(サドルになんか座ってる場合じゃないのだ。)

自転車をいつもの場所にとめると、

「ふーっ。」と大仕事を終えた、安どのため息が出た。

 

家の中で何事もなかったのように、まったりしていると、嫁さんのご帰宅です。

「ただいま。」

「お帰り。」全く自転車には気づいていない様子です。

 

翌日(土曜日)の朝、嫁さんは玄関の外でお花のお手入れ・・・突然

「自転車が戻ってきてるよ!」と大声で叫ぶ。

「さっきまでなかったのに、振り返ったらあったよ!」(いいえ、あったはずです。)

「誰かこっそりと返しに来たに違いないね。」(そんなこたーねーよ。)

「後ろ向いてるときに、なんか音がしたような気がしたんよ。」(きっと空耳です。)

笑いをこらえるのに必死な おいどんでした。

 

by

自分の意記憶力の低下に

笑えなくなってきた

たたかう現場監督