バトル 1   昔話

もうかれこれ20年以上前のお話です。

入社三年目のマサミンと新入社員のダテポンはライバル関係。

時々 仕事のやり方など、どっちが正しいか的な話をしている。

 

ダテポンと「コンクリートの重量がかかった時のたわみを求めれば・・・。」と話していれば、マサミンが横から

「そういえば、コンクリート 1立方メートルの重量はいくらでしたっけ・・・1トンでしたよね?」

「それ水の重量じゃろ。」とおいどん。

「2.35トンで考えときゃいいですよね。」とダテポン。

「こいつ(マサミン)に計算させると大変なことになるど。」

「なんで、水にセメントと砂・砕石加えて水と同じ重量になるんだっちゅーの。」

と叫びたくなるのを抑えていると。ダテポンに馬鹿にされたマサミン、

「どーせ、俺は英語分からんし、分数の足し算はわかるけど、割り算はさっぱりわからん。」とわけのわからんこと言って現場に出ていった。

(割り算わかんないのかよ?)

「僕も英語はわからないですが、せめて分数の計算はできたほうがいいですよねー。」とダテポン。

「そうやね。」とおいどん。

(ちょっと返事に元気がなかったことに、自分でも気づきました。)

 

現場監督は、品質・工程・安全などに配慮して現場を進める技術と知識を持った調整役。

実際、すごく複雑で難しい計算をすることは、ほとんど無い。

工程を考えるにしても、一つ一つの作業手順は、ボード貼ってなければ、壁紙を張ることができないなんて簡単なことなんです。

ただ、作業の数が増え、これらがいろいろ絡み合ってくると、多少複雑になってくる。

ここに現場という生き物の恐ろしさがあります。

協力してくれる業者の人たちと、良いものを工期内にという意識を共有して、建物の完成をむかえられ、さらに、お施主さんが喜んでおられる姿など見ることができたなら、そりゃ感動もんです。本当に・・・

 

だから おいどん まだこの仕事続けていられるのかな?

 

by

マサミンに分数の計算を教えようと

こころに固く誓った

たたかう現場監督