斫り(はつり) 知らない人は幸せ?

『斫り』

おそらく一般の人は、一生知らなくてよい言葉です。

読み方は、「はつり」。

ノミやタガネで木や石を削り取るという意味があります。

 

建築工事の現場(鉄筋コンクリート造)では、型枠にコンクリートを流し込み、そのコンクリートが固まった後、型枠を取り去ります。

そのようにしてできたものを躯体(建物の構造体のこと)と言います。

この躯体は施工条件や施工精度などにより、多少誤差が発生し監督さんを悩ませます。

よくあるのが、サッシの開口が小さかったり、位置がずれていたり。

基本やりたくないのだが、いくらか躯体を壊すことになるのです。

 

これが斫りなのです。

大がかりなものだと解体業者(斫り屋さん)にお頼みしますが、少々だと自分でやってましたね。

サッシ廻りなど、いきなり電動ピックで斫り始めると、壊さなくていいところを壊しちゃうので、ダイヤモンドカッターでコンクリートに切れ目を入れて、電動ピックで壊します。

今は、保護メガネ、防塵マスクを装着しての作業になりますが、昔は何も装着せず、ほこりで鼻の周り真っ白になったり、髪の毛もホコリでぱさぱさ。

(当時は何の疑問も持たなかったけど、今の若者はこんなこと、好んでしないでしょうね。)

 

ある先輩は、斫りをした夜 飲みに行き、スナックのお姉さんに

「なんかコンクリートのにおいがする。」といわれたそうな。

 

現場では斫りはないほうが良いのですが、バリバリと斫りの音がする現場を見かけると、なんか騒々しく、仕事をやってる感が漂ってて、いかにも現場が進んでいるような気がするのはおいどんだけかな?