愛犬 パピ

動物は弱ったところを見さないものです。

これは、弱肉強食の中を生き抜いていくための本能なのでしょね。

 

その日の朝のパピちゃんは、息をするのが苦しそうに見えました。

14歳になり、心臓の動きもよくないと、お医者さんに言われていたので、朝の散歩は控えさせようかと、

「ハウス。」と何度も言うのですが、珍しく言うことをを聞きません。

しょうがないので、娘(パピちゃんの)のポーちゃんと一緒にお散歩に・・・。

まだ暗くて寒い朝の6時過ぎ、いつものようにパピちゃんの足元をライトで照らしながらのお散歩です。

パピちゃんのペースに合わせて、ゆっくりゆっくり。

日曜日だったのですが、おいどんはこの日 仕事だったので、お昼から病院に連れて行ってもらうように、嫁さんに言って家を出ました。

昼前に電話してみると、

「パピは何かを探すように、さっきまでチョロチョロとリビングを歩いてたよ。」

「今はハウスで静かにしているけど・・・。」

「お昼から、病院に連れていくよ。」と聞き、少し安心。

12時過ぎにお昼ご飯を食べに帰り、パピのハウスをのぞくと、じっと動かず眠ってるようだ。

起こさないように、静かにご飯を食べ、様子を見に近づいてみると。

様子が変。

体をさすってみるけど反応がない。

「パピちゃんが、亡くなってるよ。」

「ええっ、本当に?」涙を流す嫁さん。

「まだあったかいよ。看取ってやりたかったなー。」もう言葉が出ません。

 

「そばに居ってやれんかったんで、さみしかったかな。パピ。」

最後まで、自分の弱ったところを見せないようにして、彼女はそっと逝きました。

「我が家に来て、幸せだったかな? パピ。」

「もっともっと、ボール遊びしたかったね・・・。」

 

パピの体をさすってやりながら、ふと、おいどんも、逝くときは、同じようにひっそりと、一人で逝きたいなと、思ってしまったのです。

by

伊集院静さんの

【君のいた時間 大人の流儀】を読み

残された、愛犬ポーちゃんとの時間を

大切にしたいとしみじみ思った

たたかう現場監督