笑いのツボ

嫁さんが数日前から何やら製作している。

長男坊の好きなハリネズミの小物を作っているとのこと。

先日コストコで買った食料品などを詰め込んだ段ボールの片隅に、こわれないようにそっといれている。

(働き始めてようやく一年がたった、薄給の長男坊への支援物資なのである。)

今日は仕事終わりに宅急便で送る予定らしい。

「今日帰ったら送りに行くよ。」と仕事の出がけに声をかけられた。

「はいはい。」同行者に任命された おいどん、そそくさと家を出る。

いつも通りに帰れると思っていたのだが、こんな日に限って、業者の仕事が思ったように伸びない。

いつもより一時間近く帰宅が遅くなってしまったのだ。

競歩のような歩きで必死の形相で急ぐ おいどん。

家に到着直前、嫁さんが車に乗り込んでいる姿が見えた。

「遅すぎ! 今から行ってくる。」とご機嫌斜め。

おいてけぼりになった おいどんは、しょうがないので、パピちゃんとポーちゃん(愛犬です。)の散歩にトポトポ出かけた。

散歩から帰ると、嫁さんは夕飯の準備中。

「ごめん、仕事が遅くなった。」と謝るおいどん。

「わたしゃー(私は)、早く帰ろうと思って、○○きって帰ってきたのに・・・。」

『○○きって』ってところがよく聞き取れなかった おいどん。

聞き返すことなどできない雰囲気の中。

「そうか、『張りきって』帰ってきたんだ。」と話を合わせようと必死なおいどん。

しばらくの沈黙の後・・・

「宅急便送るだけで、誰が張り切るんかい!」

「仕事が終わってから話しかけてくる同僚を『振り切って』帰ってきたの・・・。」と叱責されてしまったのだ。

心の中で「あちゃー。」と叫ぶ おいどんだが、平静を装い

「そりゃそうだ、こんなことで張り切る人いないよね。」と話を合わせる。

たしかに、宅急便で張り切る人はいないなと考えると、吹き出しそうになり、

「何がおかしいん?」と嫁さんに聞かれ、

「いえ、別に・・・。」と黙り込む おいどん。

 

風呂に入って、しばし思いだし笑いをした おいどんでした。

(なぜか、おいどんの笑いのツボに入ってしまったのだ。)

 

by

このような笑いも

たまには必要だと考える

たたかう現場監督