現場監督 6 妥協の産物?
理想は高く掲げるべし!
なんて思っていても、工期・予算・天候・業者のレベル等によって、建物の出来栄えは大きく左右される。
あとは、監督さんのレベルですね。
《良いものを予算内で、安全に工期内に完成させる。》この意識をどこまで協力業者と共有して仕事ができるか ということはとても大切なことです。
工事現場の作業は、機械化された部分がほとんどなく、人間の手作業の部分が多くを占めます。
ゆえに、ヒューマンエラーが少なからず発生するのです。
間違いが発見されると、単なる補修や補強程度で済む物なのか、やり直しとなるのかのジャッジを行う必要があります。
監理されている設計事務所や施工業者に連絡を取り、対応を検討する。
間違った部分を撤去し再施工するなどということが発生し、費用や工期への影響を考えて、顔面蒼白なんてこともあります。
ある現場で鉄筋コンクリート造の建物の建物の柱断面が正方形だったため、X軸とY軸を間違って配筋を行い、生コン打設前の配筋検査でそれが見つかり、組み立てた型枠を撤去して、配筋を直したなんて話を聞いたことがあります。
(ゾッとしますが、コンクリート打設した後にわかるより良いですね。)
ジャッジは工期・費用の制約があるとはいえ、選択肢の中からできうる限り厳しいものを選ぶことです。
なかなか難しいことですが、やさしい(現場や自分たちにとって被害が少ないもの)ばかりを選んでいたら、妥協の産物と化した建物が完成すること間違いなし。
特に構造に関するもの。そして電気・給排水衛生などの設備や雨仕舞などに関することは、十分注意して施工する必要があります。
人間弱いもので、「このくらいで良し。」となってしまいそうになりますが、自分が許せるレベルを、高い位置に設定するような意識は大切です。
PS
ある映画監督であり、著名なアニメーターのお話を、偶然動画で拝見しました。
努力なんて当然するもので、努力しても成功できない人はたくさんいます。
自分の作ったものを見て【自分がそれを許せるか、許せないか。】だけが判断基準。
自分が許せるものを製作しようとしてやっていることを、「夜遅くまで頑張られていますね。」とか、「すごい努力ですね。」なんて言われても、それは何の意味もないむなしい言葉。
自分が許せるものを作るのに、努力するのは当然です。
(記憶が定かでないため、多少の言葉遣いは違うと思います。)
このお話は おいどんの心に刻まれ、時々、その言葉を思い出す印象的なお話でした。
by
いつも自分に甘いジャッジをしていると
おいどんみたいなグダグダな監督になっちゃうのかと
悲しくうなだれる
たたかう現場監督