気づいた時には・・・現場での悲しい出来事

 

昔務めていた会社での出来事です。

今のようにパソコンも携帯電話もなく、業者との連絡は電話かFAXのみだった時代。

(ポケベルなんて言うのもありました・・・懐かしいですね。)

後輩のキシやんに業者との連絡を頼んで、工事現場を後にしたおいどんが、翌日彼から聞いたお話。

18時過ぎ、業者もすべて撤収し、現場事務所に一人になったキシやん、おいどんの言いつけ通りに業者に電話します。

「あっ、そうですか・・・まだ帰られてない・・・。」

「いつ頃帰られますでしょうか?」

「7時ごろ帰社予定ですね。また電話します。」と電話を置くキシやん。

一人ぽつんと時がたつのを待っています。

ようやく7時になりました。

「○○さんは帰られましたでしょうか?」

「電話中ですか・・・終わられたら、電話いただけるようお願いします。」

10分がたちましたが、まだ電話はかかってきません。

「長電話やな・・・、俺 帰りたいんじゃけど・・。」本音がぽつり。

気づけば時間は、もう7時半過ぎ。

「なんで電話 かけてこんのんじゃい!」しびれを切らしたキシやん、受話器を少し乱暴に取り上げ、電話します。

「えっ。」と声を上げるキシやん。

「本日の業務は終了いたしました。ご用件のある方は・・・。」電話の向こうでは、非情にも録音された女性の声が響いていたそうな。

「悲しすぎますよ。」とこぼす キシやんでした。

 

by

この後、キシやんを連れて

焼肉屋に行った

たたかう現場監督