あやまれ!

前に勤めていた会社の時のお話です。

身長185cm、体重80kgの後輩の営業マンがいました。

体が単に大きいだけじゃなく、○○体育大学を卒業したアスリートです。

そんな彼が仕事帰り、同僚と新潟市内で食事をし(当然お酒も入っています。)、気分良く歩いていました。

目の前を一台の自転車が通り過ぎる瞬間に、ポイ捨てされたたばこが、運悪く後輩の顔をかすめるように飛んできました。

その一瞬、後輩のスイッチが入り、むんずとオヤジの乗った自転車のリアキャリアをつかんだのです。

いきなりストップさせられた自転車に乗っていたオヤジは、当然つんのめっています。

オヤジ、怪物でも見るような、唖然とした顔をしています。

「おい、今 たばこポイ捨てしたろうが?」

「あやまれ!」後輩怒っています。

オヤジ、しばしの沈黙の後、

「ポイ捨てして、タバコが当たってしまいそうになって、すいません。」

「俺に謝らんでもええんよ。」後輩、妙にやさしい口調です。

「ヘッ。」オヤジ、困惑しています。

 

「道を汚してしもうて、新潟市に申し訳なかろう。」

「こんな事したら、新潟市に謝らんといけんじゃろ。」と後輩。

オヤジ、またまた沈黙するが、覚悟を決め、

新潟市さん、ポイ捨てしてすいませんでした。」

「声が小さい!」

新潟市さん、ポイ捨てしてすいませんでした。」

「吸い殻拾ったら、行ってよし!」と後輩、ようやくオヤジをリリースし、何事もなかったかのように歩き始めたのでした。

以上、後輩の同僚が笑いながら話していたお話でした。

こんな奴に絡まれると大変だという思いと、こいつが先輩でなくてよかったと、安心するおいどんでした。

 

by

子供の頃見た、

大魔神】という映画を思いだす

たたかう現場監督