ある会社のお話 2   さみしい会社

ある小さな建設会社のお話です。

中高生の子供を持つ社員4人が、休日出勤を2日もらって何とかやりくりしている生活ですと言う話が耳に入り、上司の人が詳しく聞く。

昇給は年に3千円程度、40年勤めても12万円アップでは夢がない。(税金の上昇率のほうが高くて、手取りは減っているのが現状。)

休日出勤がない時は、親からお金を借りることもしばしば・・・。

これから子供のお金がかかることを考えると不安でしょうがない。

普段は18時から19時で仕事が終われるのに、JV(共同企業体)の現場に行くと21時から22時まで働くこともざらです。

遠くの現場になった時などで、朝早く家を出て、夜遅く帰宅しても、早出・残業代は給料の中に含まれているらしいので給料は同じ。

何も手当なしじゃ、やらされ損ですし、誰もそんな現場に行きたくない。

適当なことばかり言っている営業が法外なボーナスをもらっている。

などなどいろいろな話が出てきたらしい。

おいどんが見ても、その4人の社員さんたちは、気配りができて段取りの良い監督さんたちです。

間違いなく現在の年収より100万円以上の金額を、ほかの会社だったらもらえそうな人たちです。

 

話を聞いた上司の人は、この4人はこれからこの会社の軸になっていく人たちなので、いくらかでも給料を上げてもらえないかとの話を、若社長様のところに交渉に行ってくれました。

しかし、若社長様は当然と言えば当然なのですが、いきなりの給料アップはできないと言われたとのこと。

そこで、その上司の人は「私の給料を2,3万円少なくしてくれても良いので、彼らの給料を上げてやってほしい。」とお願いしたらしい、

「わかりました。やってみましょう。」と若社長様 快諾。

(どうやら自分の懐は痛めたくないらしい・・・。)

それから数か月がたち、4人は4月の給料アップを心待ちにしていました。

結果、昇給は昨年と同じ3千円。

上司の人は、きっちり3万円給料が減額されていましたとさ。

(情けないですなー。)

 

「儲けが通常よりも出ていれば、年度末賞与として還元しますので、みんな頑張りましょう。」という若社長様。

若社長に代わって6年たちますが、一度も年度末賞与なんて出ていません。

結構この年は仕事頑張ったなという年も何年かありましたが、役員の車が突然新しくなったり、役員家族が旅行に行ったりしただけです。

下々のほうに おこぼれは回ってきません。

(国だけか、会社のトリクルダウンすらありません。)

「やってもやらんでも給料が同じならば、やらないで楽したほうがいい。」という声もちらほら聞こえてくるこの会社。

先日も「この会社には夢がない。」と言ってやめていった入社三年目の社員。

 

社員の心が離れていくような会社は、話を聞くだけでもさみしいですね・・・。

 

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会社は

社長の器以上の大きさにはならないと

確信する

たたかう現場監督