嫁さんが泣いた
新潟でマンション建設をしていた時(25年も前)、電気工事の現場代理人だったナベちゃん。
いまだに連絡を取り合っているのです。
最近会ったのは5年前。
ナベちゃんが広島までお嫁さんと旅行に来られていた時です。
ほっそりとして、やさしそうな感じの女性です。
おいどんの嫁さんも、結婚したころはこんな感じだったのかな・・。
ずいぶん変わってしまったもんだ・・。
ふとその時思い出したのが、結婚して間もないころのナベちゃんのお話。
当時新潟に住んでいた二人は、旅行で静岡に・・・。
観光の目的は、表向きは有名な鰻と新鮮な海鮮丼を食べることなのですが、ナベちゃんの最大の目的は登呂遺跡。
静岡市内で楽しくお昼ご飯を食べた後は、いよいよ登呂遺跡に向かいます。
ちなみに、お嫁さんは全く登呂遺跡には興味がありません。
到着するとナベちゃん大興奮。
約2000年前の弥生時代に時間旅行。
竪穴式住居や高床式倉庫が再現されており、出土品などの展示物を時間をかけてゆっくり堪能中。
お嫁さんはナベちゃんの後をトポトポついて歩いています。
到着してから約一時間余り過ぎたころ、後ろに鼻をすするような音・・・。
振り返ると、お嫁さんの目から涙がポロリ。
「どうしたの?」とナベちゃん不思議そうな顔。
「なんで私、こんなところにいるのかなって考えたら、なんでかわからないけど悲しくなってきた。」とポツリ。
もっと楽しい旅行だと胸を膨らませていたお嫁さんは、興味のないものに突き合わされてガックリしてしまったのでした。
ハッと、自分ばかりが楽しみすぎていたことに気づいたナベちゃん。
「ごめん。俺ばかり楽しんでた。」と平謝り。
そそくさと登呂遺跡を後にし、お嫁さんの行きたかった寸又峡 夢のつり橋へ。
「まさか、泣いちゃうなんて思いもしなかったよ。」と言ってたナベちゃんの顔が、いまだに忘れられない おいどんなのです・・・。
by
お嫁さんの笑顔は
エネルギーの源なのですが、
最近の嫁さんの語る夢は
おいどんがなくなっている前提の話が多く
悲しい思いの
たたかう現場監督